フィナステリドの効果と副作用

フィナステリドは、「飲む毛生え薬」として一世を風靡した、「プロペシア」に含まれる有効成分です。

どんな効果や副作用があるのか見ていきましょう。

フィナステリドの効果の概要

フィナステリドを含むプロペシアは、世界初の飲む毛生え薬というようなふれこみで発売されました。

そのため、飲むとぐんぐん髪の毛が生えてくるようなイメージがありますが、実はそんなことはありません。

フィナステリドは、AGA（男性型脱毛症）という男性が発症する薄毛の症状を改善するための薬です。

薬の働きは、このAGAの原因をブロックするような働きとなっており、直接髪の毛を生やす発毛効果はありません。

AGAの原因をブロックしたあとは、自身の体がもっている自然な髪の毛を生やす能力によって、髪の毛が生えてくる、という流れで薄毛を解決する成分です。

AGA（男性型脱毛症）はどんな薄毛の症状か？

AGA（男性型脱毛症）というと、少し特別な病気の名前のように感じます。

しかし、実際に薄毛になっている男性の8割以上はこのAGA（男性型脱毛症）に該当するといわれています。

つまり、よく見かける、年齢の割に少し髪の毛が薄くなっている男性の多くは、このAGA（男性型脱毛症）なのです。

そのため、フィナステリドは特定の症状に対して効果を発揮する薬ですが、世の中の多くの男性の悩みを解決してくれることのは変わりはないのでしょう。

AGA（男性型脱毛症）の具体的な症状は、髪の毛の成長サイクルが短くなり、髪の毛が十分成長しないまま抜け落ちてしまうものです。

フィナステリドは、このサイクルが短い症状を正常に戻します。

正常に戻すことで、髪の毛がどんどん抜け落ちることがなくなり、以前と同じようなフサフサでボリュームのある髪の毛を実現するのです。

フィナステリドの具体的な作用について

フィナステリドは、5αリダクターゼ2型という酵素の働きを阻害します。

この5αリダクターゼというのは、男性ホルモンを悪性の男性ホルモン（ジヒドロテストステロン）へ変換する働きを持っています。

毛根の中心に存在し、毛根でジヒドロテストステロンを多く生成しています。

そして、このジヒドロテストステロンの量が増えるほど、AGA（男性型脱毛症）が進行します。

AGAの原因がジヒドロテストステロン→ジヒドロテストステロンが増える原因が5αリダクターゼ2型→5αリダクターゼ2型の働きをフィナステリドがブロック、という流れで薄毛を治療します。

フィナステリドの副作用について

フィナステリドには、副作用が報告されています。

ただし、2000年初頭にMSD社（日本でプロペシアを販売した会社）から報告されている内容と、ジェネリック製薬会社（プロペシアの特許が切れてからフィナステリド入りの薬を発売）が出している情報に少し差があります。

MSDが報告している重篤な副作用について

まず、MSDは発売当初は特に重篤な副作用を報告していませんでしたが、発売してから数年後の2007年に重篤な副作用が発生することを報告しています。

発生頻度は不明で、症状は重篤な肝機能障害となっています。

一般的に薬にはすべて副作用があり、発生頻度は非常に低いものの、多くの薬でこの重篤な肝機能障害が発生する可能性があります。

フィナステリドも例外ではありません。

MSDからは、発生頻度は不明と報告していますが、認可を受けている薬である以上、このような重篤な副作用が発生することは非常に稀であることは間違いないでしょう。

また、ほかの薬でも当然発生するリスクがあるものですが、このような重篤な副作用をMSDが報告しているのは、対外的な処置も含まれていると考えられます。

というのも、育毛のための飲み薬という位置づけですと、重たい病気を治療する薬ではないため、どうしても少し効果や副作用がマイルドなサプリメントのような印象を持ってしまう可能性があります。

しかし薬ですので、副作用は月並みにあり、利用者も多いことから、改めて正しく使い方を守って使うことと、頻度は非常に低いながらも、薬のため最低限のリスクはある、ということを、世間に改めて伝えるための報告であったのではないか、と予想されます。

つまり、重篤な副作用は報告されております、薬であることをしっかりと認識することは必要ですが、頻度は低くナーバスになる必要はないと考えられる副作用です。

MSDが報告しているその他の副作用について

このプロペシアが発売されて認知が広がった際に、髪の毛を生やす効果と合わせて、巷で噂になった副作用の効果があります。

それが、性欲減退です。

実際にこの性欲減退という副作用の発生頻度は1-5%といわれており、この数字は薬の副作用としては一般的な数値です。

つまり、すべての薬には、これぐらいの頻度で発生する副作用を持っているのことが多いです。

そのほかにも胃の不快感も、よく発生する副作用として報告されています。

それよりも頻度は低いですが、さらに男性の性に関する影響として、ED（勃起不全）や、精液が少なくなる、などの症状も報告されています。

育毛という観点から、悪性の男性ホルモンと表現されているジヒドロテストステロンは、男性器の働きにも関わっており、こういった男性器にかかわる体の機能のバランスを崩しに行っているため、性に関する副作用が出やすくなっています。

すね毛やひげが濃いと、頭が剥げている、とか禿ほど性欲が強いなど、毛と男性の性については様々な関連性が噂されますが、あながち間違っていないところもあるのです。

そのほかにも、発生頻度が正確に報告されていませんが、様々な副作用はあります。

少し安直ですが、発生頻度が報告されていない=頻度が低くて測定できない、という理解でもよいでしょう。

ちなみに、この他にインターネットで話題になった副作用としては、男性にも関わらず、乳房が大きくなる、という症状です。

これもホルモンのバランスを崩しに行った結果、少し女性的に体がなってしまうことで発生するようです。

ジェネリック製薬企業が報告している副作用

ジェネリック製薬企業である沢井製薬からも、プロペシアジェネリックとしてフィナステリド錠が発売されています。

沢井製薬が発売している薬に同封されている添付文章は、2018年に12月に更新されています。

副作用の項目では、まず重篤な副作用の記載がされています。

頻度は不明ですが、肝機能障害が発生する可能性があるとのことです。

深い解説はなく観察を十分に行うようにとの説明があり、おそらくMSDから発表されたものをもとに記載されていると想定されます。

また、性機能に関する副作用も記載がされていますが、頻度は不明とされています。

そのほかには、過敏症という項目で、蕁麻疹などの症状がでることが報告されています。

頻度があまり具体的には記載されていませんが、報告されている副作用はほとんど同じとなっております。

MSDが2000年の初頭の発売に合わせて報告した副作用と、2018年にジェネリック製薬企業の沢井製薬が更新している情報に大きく差がでていない点をみると、おそらくここまでで報告されている副作用でほとんど網羅はされており、ここに記載がある以上の副作用はほとんど発生しないと考えられます。

現状報告されている副作用に特に注意をして、利用するとよいでしょう。

参考：沢井製薬のプロペシアジェネリックの添付文書
https://med.sawai.co.jp/file/pr1_1763.pdf

フィナステリドのその他の効果について

フィナステリドは、もともとは前立腺肥大症という症状を治療するための薬として開発されています。

年を取ると尿の切れが悪くなる、といった症状が現れることがありますが、それは前立腺が肥大してしまい、尿道を圧迫することで尿が出きらず残ってしまったりすることが原因です。

前立腺肥大症は、前立腺がんになる兆候の一つともいわれています。

フィナステリドは、このような病気の治療でも利用されている処方薬です。

こういった効果からも、フィナステリドが毛生え薬という、サプリメントのような魔法の錠剤というよりも、しっかりとした医薬品であることを改めて再認識することができますね。

フィナステリドが含まれている商品

フィナステリドが含まれている薬の名前は「プロペシア」ですが、そのほかにもプロペシアジェネリックや、フィナステリドが含まれた育毛剤なども登場しています。

購入可能なプロペシア錠剤一覧

プロペシアは発売される国によってパッケージが変わっています。

海外から薬を個人輸入できるサイトでは、各国によって違ったプロペシアの購入が可能になっています。

	プロペシア(オーストラリア版)1mg	詳細を見る
	プロペシア(アメリカ版)1mg	詳細を見る
	プロペシア(ニュージーランド版)1mg 【1箱28錠】	詳細を見る
	プロペシア(US版)1mg 【1本30錠】	詳細を見る

購入できるプロペシアジェネリック錠剤一覧

プロペシアはジェネリック医薬品が多く発売されており、このプロペシアジェネリックにもフィナステリドが含まれています。

	フィンペシア(キノリンイエローフリー新タイプ)1mg	詳細を見る
	エフペシア(F-Pecia)1mg	詳細を見る
	フィナロイド1mg (FinaLloyd)	詳細を見る
	フィナバルド(Finabald)1mg	詳細を見る
	フィナロ(Finalo)1mg	詳細を見る
	フィライド(Firide)1mg	詳細を見る
	ハリフィン(Harifin)1mg	詳細を見る

購入できるフィナステリド入りの育毛剤一覧

フィナステリドを含んだ育毛剤も発売されています。

	リグロースラボFIN25[フィナステリド0.25％]	詳細を見る
	フォリックスFR16クリーム	詳細を見る
	フォリックスFR12ローション	詳細を見る